呆れる「津市の印鑑行政」

『納め過ぎた保険料を返してやるから署名ではなく認印を押せ!』



津市会計規則27条の検討
事例①なんでもかんでも「契約印!」
●事例②還付請求で「署名ではダメ、記名+認印が必要」

3.事例②還付請求で「署名ではダメ、記名+認印が必要」

前頁は請求書の「記名+契約印」VS「署名」。
今度は「記名+認印」VS「署名」。
どう考えても「署名の勝ち」。
津市行政部門には「時代に取り残された課」があるようだ。

a.介護保険料過誤納金還付通知書

「下記の方の介護保険料が納めすぎとなっていますので通知(還付)いたします。
納めすぎとなっております介護保険料は、口座振込にてお返しいたしますので、
別紙の介護保険料過誤納金還付請求書兼口座振込依頼書に必要事項を記入のうえ
同封の返信用封筒にてご返送ください。
還付金の請求期限は通知書到達の翌日より2年間です。」

年度の所得変動による保険料の納め過ぎの還付請求である。

必要事項を書いて返送したら、返送されてきた。

「氏名欄に署名したが認印を押さなかった」からだ。

介護保険課の職員がエフをつけて自筆で書いてくれたので大きな画像で。
誰が書いたか分かるように。

認印を押せば済むことだが「義務のないことはしたくない」。
当然、「なぜ署名ではだめなのですか? その根拠をお示しください」ということになる。

なお、「還付請求書は振込先がご本人様または相続人様等変更になる場合がありますため、随時記入していただいております」の記載は「なぜ、毎回振込先口座を記入しなければならないのか?」に対する返答。

振込先が相続人になる場合があるのなら
以前に申請したときの本人の振込先を印字しておいて、
本人の場合は「レ」を入れ、相続人の場合には振込先を記入するようにすればよいだろう。

そもそも「こちらが納め過ぎた」のではなく「そちらが徴収し過ぎた」のだろう。
「こちらから返還してください」ではなく「そちらから返還させていただきます」だろう。
何を上から偉そうに!

これも「言う通りにしなければ、お支払いできませんよ!」のクチだろうか?

b.また出てきた津市会計規則27条

押印が必要な根拠として送られてきたのは「あの津市会計規則27条」

「無知な平民はこれで引き下がる」と思っているらしい。

条文は「自分に都合の良い文言だけを拾う」のではなく全体を観なければ理解できない。
特に「但書」には。

「甘い!」

ここでも、次の27条5項がポイント。
前項2号及び4号の規定にかかわらず
正当な債権者から提出された請求書であると収支命令者が特に認める場合は
当該請求書への債権者の押印等を省略することができる
但し、29条1項の規定による代理人による支払いの請求については、この限りでない。」

今回の請求は27条4項の「正当な債権者から提出された請求書と認められる場合」だろうか?

その状況は
・過誤納金還付通知書の宛名欄には私の氏名が印字されている。
・被保険者氏名欄にも私の氏名が印字されている。
・続柄欄の本人に◯をした。
・振込先の口座名義人欄に私の氏名を書いた。
そして、
・請求者欄に私の署名。
・「押印は略した」という意味で「㊞に×」

これだけ揃えば「正当な請求者から提出された請求書」と認められるだろう。

それを介護保険課の収支命令者は「認めなかった」。
「署名ではダメ。認印を押さなければダメ」と請求書を返送させた。

この収支命令者は「シーラカンス×シーラカンス」じゃないの?
津市民としては「この職員の資質」を疑ってしまう。

※押印見直しマニュアル9頁「見直し件数」
国が押印を求めている行政手続きは全部で14992件。
今回の見直しで押印廃止or廃止の方向で検討は14909手続き ( 99.4% )
認印については「印鑑証明の必要なもの,登記印・登録印」の場合の83手続き以外は全て廃止の見込み。


※押印見直しマニュアル21頁「千葉市」
「市民や事業者へ時間を返す」という視点で押印の見直しを進め、
約3000種類の手続きのうち約2000種類を
署名を基本とする「署名又は記名押印」の選択制に変えました。


※押印見直しマニュアル1頁「はじめに」
今われわれがやろうとしていることは、

デジタル技術を最大限活用することによって…省力化を進め、
人が寄り添わなければいけないところに人が寄り添うことができるよう、人を寄せていく。
そういう人のぬくもりが感じられる行政とするための規制改革・行政改革です。……
行政手続きにおける国民の負担を軽減し、国民の利便性を図ることが目的です。

『お~いッ!聞こえてる?』

c.過誤納金還付請求書のその後

この問題についてはまだ始まったばかり。
今後の進展はその都度追記。
請求期限は2年間あるからたっぷりと楽しめる。

まずは、会計規則を扱う法務室へ。
そして、今回の過誤納金還付請求を
「27条5項の正当な債権者からの請求」と認めなかった介護保険課の収支命令者への質問。
※2024.11.11.法務室と介護保険課へ上記内容を書面にて質問

●介護保険課からの回答 ※2024.11.13追記

◯2024.11.13.介護保険課S氏より電話にて回答があった。

S氏『会計監査室へ問い合わせたところ次のような回答がありました。
・会計規則27条5項の「押印が要らない場合」とは、「対面で身分証明書などで本人確認ができた場合」。
・署名では27条5項の適用なし。押印が必要。」

「本人が出向いて,還付請求書を提出し、運転免許証などで本人確認すること」と「100均で売っている認印の印影」が同じ価値であるらしい。

重ねて質問した。
私『その押印に使う印章はどういうものでなければならないのですか?』

S氏『それはシャチハタ以外の印章で』

私『ではシャチハタ以外の印章であれば印影は本人と関係ないもので良いのですか?
手形小切手法の署名では判例・通説がそのように解していますが?』

S氏『いや常識的に考えて…』

私『あなたの常識を聞いているのじゃないですよ。津市会計規則でどう扱われているかが問題なのです。
会計管理室にこの点を聞いてください。』

◯S氏から再度電話がある。

S氏『会計監査室に問い合わせたところ、
・印影は「本人と同じ名前」でなくてはならない。
・手形・小切手法の署名に関する判例は「他のいろいろな状況の中のものであるので今回の事例には当てはまらないということです。』

事案と判決理由をしっかりと読んで、学説をいくつかチェックしたのでしょうネ。 ( 心の中で )

私『分かりました、あとあとのために会見監査室からその内容を文書にして出して下さい。』

S氏『会計監査室の考えに沿って各部門ので判断で処理していますから…。』

私『では介護保険課の考え方と会計監査室の考え方は違うのですか?』

S氏『いや、それは同じです。』

私『介護保険課の考え方でも会計監査室の考え方でもどちらでもいいです。
電話では「言った言わない問題」が生じるので文書にしてください。
印影と本人の氏名との同一性の根拠も示してください。』

S氏『いや…、たくさんの書類を処理する中で「本人からのものであるかどうか」を判断しなければならないですから…。』

それなら、署名でもいいじゃない?
結局「朱肉の印影、黄門様のモンドコロ!」の「大江戸印鑑行政」じゃない。 ( 心の中で )

私『とにかく、今回の回答内容を文書にしてください。
①津市会計規則27条5項の押印不要の場合とは「対面で身分証明章などで本人確認できた場合であること」
②津市会計規則27条4項の押印とは「本人の名前と同じものであること」。
③「会計規則などにおける②の根拠」

S氏『文書として出せるかどうか伺いを立ててみます。』

私『「文書として出せない場合」もそのことを知らせてくださいね。』

文書にして証拠が残ると何かまずいことがあるのだろうか?
今はケイタイ録音もあるのに。
やはり「大江戸印鑑行政」。残るのは文書だけだと思っているらしい。 ( 心の中で )

●津市役所法務室からの回答

2024.11.13現在「なし」。



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